実況!! 皇居清掃奉仕日記 2019年2月20日
2019/02/20(水)
Blog
吹上御苑
From:磯崎@サンオリエント
東京大手町のホテルより
一昨日・昨日に引き続きレポートします!
皇居清掃奉仕
2月20日(水) 3日目 皇居
7時15分 集合
昨日と同じく噴水前広場に集合。
全員時間ぴったりに集まった。今日は天気も良さそうで、気温もぐっと上がりそう!
そのまま桔梗門前に移動。
7時30分 桔梗門前
警備の方の身分証明書の確認と本人確認を受け、入門。
昨日に続いて我がグループが一番乗り。
「窓明館」に入りまたしばし歓談。
今日から昨日までとは別のグループも合流するという事で、続々と集まってくる。
8時25分 宮内庁職員の方の説明
ほぼ満員となった「窓明館」。
新たに4グループが合流し、全部で11グループ、約300人の参加者になったようだ。
凄い!!
8時45分 「窓明館」を出発
今日は朝一番に写真撮影をするという事で、全員整列の後、グループ毎に分かれて移動。
いつもは正門である二重橋前で撮影するらしいが、今日は工事か何かの関係で場所を変更された。
一般参賀等にも使われる宮殿前に集合し、各グループ毎に宮殿をバックに撮影!
これもなかなか珍しい事らしく、またまた幸運だ。
ただ、11グループもあるので結構な時間がかかった。
9時30分 作業場所へ移動
今日の指導員の方は「森山さん」と言う男性の方だった。
森山さんの指揮のもと、昨日と同じく石川県のグループと一緒に行動することになった。
今日の担当エリアは西エリア、天皇陛下がお住まいになっている吹上御所のエリアだ。
移動する途中、昨日のご会釈の会場の横を通る。この会場の真向かいには「蓮池濠」という蓮がびっしり生えたお濠があり、その正面にあるため「蓮池参集所」と呼ばれているらしい。
その横に乾通りと言う大きな通りがあり、ここは桜の季節と紅葉の季節に一般の方をお通しして風景を楽しんでもらう場所らしい。
坂下門から入って乾門まで、距離にして約700m。
ここでみんなの素朴な疑問を森山さんにぶつける「お濠の水の水源って何ですか?」
どこかの川の水を引き入れたり何かあるのかと思っていたが、答えはシンプル
「雨水です!」
御所内の池には地下水等を汲み上げて足すこともあるらしいがお濠は完全に雨水だけらしい。よく枯れないもんだ・・・
乾通りに面した門を入り、吹上御苑エリアに入る。
今までにも増して、空気が澄みわたっていくのが分かる。
右手に長く白い壁が続き、その中は陛下のプライベートなエリアなのでほとんど入ることはできないという事だった。
その坂をのぼりながら「森山さん」に次の質問。
「皇居の中に警察官の方って何人いるんですか?」
すると驚きの答え「1000人位ですかね」
千人もいるんですか???
「ちなみに宮内庁の職員も1000人位います!」
マジですか???
ただ、お庭の管理をする方は30人位らしい。こんなに広大なのに・・・
今度は盆栽のエリアに移動しここを案内していただく。
盆栽は海外の要人を迎える時や、宮中行事に使う。
大きさもあり、出来上がりの難易度としても高い五葉松の「根上り五葉」と言う盆栽が一番貴重らしく、国賓クラスが来るときにはこれを使うらしい。
重さはなんと380㎏もあり機械は使えないのですべて人力で運び込むとの事。
8人がかりだそうだ。
この「根上り五葉」で樹齢390年。
一番古いのは「真柏」と言う盆栽で樹齢600年らしい。
続いて五葉松の「三代将軍」550年。
他にも黒松の「鹿島」390年。
国賓くらすの海外からのお客様を迎える時は「根上り五葉」と「鹿島」の出番となるらしい。
宮中行事に詳しい海外要人だったら、自分が来たときこの二つが無かったらまだまだ格が足りないとがっかりするのだろうか??
その後、宮中三殿に移動、ここはまさに天皇陛下が祭祀を執り行う場所。
ここは天照大神をお祭りしている「かしこどころ 賢所」と、神武天皇から昭和天皇までの歴代天皇・皇后陛下及び皇族の方々の霊をお祀りする「こうれいでん 皇霊殿」、それと八百万の神々を奉祀する「しんでん 神殿」からなる、最も高貴な場所になる。
紀元節祭や新嘗祭をはじめとする宮中祭祀は年間20回あり、それらの祭祀ごとに天皇陛下は国民の健康・安全・日本国をはじめとする世界平和を祈祷される。
とてもご負担の重い行事であることは間違いない、日本国民としてとてもありがたい事である。
そして今度は生物化学研究所に移動。
ここは陛下がお田植えをされる水田がある場所。
テレビ等でも、陛下がお田植えをされるシーンが映ることがあるので、知っている方も多いのではないだろうか!?
この水田は約70坪あり、毎年2品種を植えられているという事だ。品種とはもち米の「マンゲツもち」とうるち米の「二ホンマサリ」。
全てを陛下御自身でお世話するのは無理なので、200株のみ取り扱われるという事だった。
ちなみに、陛下が作業される場所は畝の近くのみで、その際にも間違っても転倒されない様に、足元にはグレーチングが敷いてあった。
陛下がおつくりになったお米は一部、宮中三殿の賢所で11月23日に行われる『新嘗祭』に使われ、さらには根っこがついた稲穂のまま伊勢神宮にも運ばれ、10月17日の『神嘗祭』 にも使われる。
水田の横には、たくさんの桑の木が植えられている畑がある。
この桑は葉っぱをとり、皇后陛下がなされている「養蚕」の蚕のえさになるという事だった。
宮中の行事は聞いているとどことなく一本の線で結ばれているようだった。
ここまで知らない事ばかりをいろいろ教えていただき興味は尽きない。
10時40分 トイレ休憩
休憩中もだれか彼かが森山さんの所に行き質問攻めに合わせている。
一般的に知られていない奥深い話ばかりなので、これも仕方がないのだろう。
それにしても延々質問攻めが続く。
11時を過ぎた、まさかこのままいくと午前中の作業は無しという事になるのでは・・・
5分後恐れていたことが・・・
「もうこれから作業と言っても数分しかできないので、ここはこのまま昼食に帰って、午後から頑張りましょう!」
・・・「窓明館」に移動
11時30分 昼食
休憩時間は買い物したり、昼寝したり。
疲れてきた分あっという間に時間が過ぎる。
13時00分 窓明館出発
13時20分 作業場到着
午前中とは別の場所にある桑畑に移動してきた。
今回の作業は桑の木の足元に敷いてある養生用のシートの固定のピンを抜き、幹の生え際だけめくり肥料をやって、またシートを元に戻し再びピンを打ち込むという作業。
みんな我先にと道具を取り合い、作業にかかる。
ただこの時気温約18度、Tシャツ一枚でも良い位の陽気、みんなすぐに暑くなってどんどん脱ぎ始める。とても2月とは思えない!
13時55分 休憩
うずくまってやる作業なので、暑さもくわえて結構しんどい。
とは言っても一緒に作業に当たっている石川県のグループはJAの人達で、本領発揮と言わんばかりにどんどん作業を進めていく。こちらのグループも負けていられないので、ガンガン働く。
この範囲が15時までに終るのか??と思っていた仕事量がみるみる片付いていった。
日本人おそるべし!!
14時55分 ちょっと早いけど、予定の仕事量をこなしたので作業終了
しばし休憩をして「窓明館」に移動。
帰り支度をしながら他のグループを待つ。
15時45分 窓明館前出発
門の所で警備の方の点呼を受け、出門。
そのまま噴水広場まで行き、そこで解散。
心地よい肉体の疲れと、いままで未知だった世界に触れた精神的な満足感で満たされている。
あと一日どんな新しい発見があるのか、期待に胸が膨らむばかり。
日本万歳!
天皇陛下万歳!
お疲れさまでした。