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「シックハウス症候群は要因別の対策が必要」連載コラムその13

2017/02/20(月)

Blog

VOC対策

こんにちは!

 

忍び寄る花粉の足音に日々戦々恐々としています(>_<)

株式会社サンオリエントの磯崎です。

 

先週は連載コラムをお休みして、お客様から頂いたアンケートの結果をご紹介しました。

ご覧になっていない方はこちらを是非ご覧下さい↓↓

お風呂と屋根のリフォームで高評価頂きました!!

 

今週は連載コラムの続きをお届けします!!

シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)ですが、一般的に知られているのは「ホルムアルデヒド」でそれ以外はあまり話題に上ってきません。

しかしそれ以外にも有毒性のあるものは多く存在します!!

それぞれが影響して発症する症状ももちろん違うのでしょうが、ここでは一旦VOCというカテゴリーに納めたいと思います。

そして、VOC対策・カビ対策・ダニ対策と3つの対処法を見ていきたいと思います。

 

それではどうぞ!!

 

 

主要揮発性有機化合物(VOC)が含まれているものは身のまわりに多数

ホルムアルデヒドをはじめとするVOCは、建材、家具、塗料、防虫剤、芳香剤など、いたる所で使われています。厚生労働省が規制する12種類のVOCに限っても、以下のように生活している中で目に触れる機会が多いのです。

 

・ホルムアルデヒド:接着剤、合板、防カビ剤

・アセトアルデヒド:接着剤、防腐剤

・トルエン:接着剤、塗料、塗料希釈剤(ラッカー、シンナー)

・キシレン:接着剤、塗料、防腐剤

・エチルベンゼン:接着剤、塗料

・スチレン:畳芯材、断熱材、発泡スチロール、接着剤

・パラジクロロベンゼン:防虫剤、防臭剤

・テトラデカン:塗料、灯油

・フェノブカルブ:防蟻剤

・ダイアジノン:殺虫剤

・フタル酸ジ-n-ブチル:塗料(顔料含む)、プラスチック(可塑剤として)

・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:プラスチック(可塑剤として)、クロス、床材

 

ご覧のとおり、塗料には複数種のVOCが含まれており、VOCの発生源として最も比率が高いのも塗料です。

 

政府と業界団体の取り組みでVOCを削減

VOCについては、政府レベルで排出規制がとられています。厚労省は前項で挙げた12種について、室内での放散量に上限(指針値)を設けています。さらに、2006年に施行された改正大気汚染防止法により、2010年までにVOC排出量の3割削減が目標に掲げられました。

 

また産業界でも、自主的にVOC排出を削減する取り組みがなされています。

例えば、日本塗料工業会は、VOC含有量が30重量%以下の塗料に「低VOC塗料」と表示し、施工者・消費者が積極的にVOC含有量の小さい塗料を選べるようにしています。

政府と業界団体のこうした取り組みよって、2000年代はじめ頃に比べ、相当量のVOCが削減されています。ただし、ゼロになったわけではない点に留意してください。

 

新築・リフォームの際にVOCが高かった場合は、強制換気やベイクアウトと呼ばれる方法で、VOCを低減させることができます。

強制換気とは、建築基準法にのっとり設置が義務づけられている換気システムを、24時間運転させることです。この方法は手軽ですが、基準値を下回るまでに数カ月かかるのが難点です。

 

ベイクアウトとは、気温が高いとVOC放散が早まることを利用した、よりドラスティックな手法です。室内を閉め切って暖房をつけ、室温30~35℃にして10日間ほど続けます。それから換気してVOCを外に飛ばします。このようにしてVOCの放散・消去が促進され、短期間で正常値になるという理屈です。

 

また、ホルムアルデヒドを分解する空気清浄機も発売されていますので、購入を検討されるのもよいかと思います。

ただ、すでにシックハウス症候群の症状が出ている場合、空気清浄機では処理が追いつかないことが考えられます。防犯や季節の観点から、就寝時に窓を開けられない時などに運転する、補助的な役割とみなすべきでしょう。本来、空気清浄機が活躍するのは、どちらかといえばタバコ、花粉、ホコリの吸引です。

 

カビの対策

浴室や洗濯機の脇など家庭内の水回りによくみられるので、カビは軽く考えがちです。

しかし、カビはVOCやダニと並んでシックハウス症候群の大きな要因です。カビは、有機物であればなんでも栄養分にしてしまうので、栄養分を根絶して繁殖を防止するのは不可能に近いです。

そのため、湿気をコントロールすることで、繁殖を阻止することが肝心です。

 

以前お伝えしたように、現代の住宅は気密化が進んでいるため、意識して換気し、湿気低減に努めることが大事です。

建築基準法改正により、1時間で室内容積の半分の空気が換気されることが定められました。しかし、これは最低限の基準に過ぎませんので、ドアや窓を開けて自然換気も励行してください。ただし雨が降っている時に窓を開けるとかえって湿度を上げてしまうので、この場合は機械換気のみとします。

 

ちなみにエアコンの除湿機能は有用ですが、エアコン内部はカビが繁殖しやすい環境です。カビの発生を防止するため、エアコン内部の清掃を定期的に行いましょう。

そして新築・リフォーム時には、調湿機能のある無垢材や漆喰の施工も考えるとよいでしょう。

 

すでに繁殖してしまったカビは、市販のカビ取り剤が使えますが、シックハウス症候群や化学物質過敏症にかかっている方は、カビ取り剤の臭気で症状が悪化する可能性があります。念のため、消毒用アルコールや酢を使ってください。

 

ダニの対策

ダニの死骸やフンもシックハウス症候群の原因となりますが、カビと同じで繁殖を防ぐよう努めましょう。

ダニは、室温が高め(20~30℃)で高湿の環境を好むので、上記のカビ対策と同じ手段が有効です。

 

また、夏の天気のよい日は布団を天日干しします。その際に黒いビニールか布をかぶせると、50℃くらいまで温度が上がってダニを死滅させるので効果的です(叩くのはあまり意味がありません)。

そして掃除機でまめに室内を掃除します。掃除機の中には、カーペットのダニを引きはがす熱風放出機能を備えた機種もあり、買い替えの際は検討するのもよのではないでしょうか!?

 

 

いかがでしたか??

最近の多種多様なアレルギー反応の原因の一つは、環境を清潔にしすぎた結果だという事も言えると思いますが、発症してしまった以上はそれにきちんと対処していかないといけません。

原因と結果と対処法の一つのヒントにして頂ければ幸いです!!

 

またバックナンバーも是非一読頂ければと思います!!

その1 木造住宅のメリットとデメリット

その2 木造住宅の寿命が30年は本当?

その3 日本の気候と風土に適した木造住宅の特徴

その4 木造住宅(在来工法)の工程と工期の目安

その5 木材の乾燥方法、自然乾燥材と人工乾燥材の違い

その6 漆喰の特徴と住宅に取り入れるメリット

その7 漆喰のデメリットと依頼する際の注意点!

その8 漆喰にカビが生えた!?その対策と予防法

その9 壁紙の上から漆喰を塗る内装リフォームの手順

その10 アレルギーの原因を取り除く!?漆喰の効果

その11 新築でシックハウス症候群になる原因は?

 

最後まで読んで頂いてありがとうございました!

 

磯崎

 

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